この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
海外留学の支払いに関する豆知識。国民年金の手続き
海外留学する際に、国民年金や国民健康保険、住民票はそのままで良いのか、他に手続きが必要なのか気になりますよね。
この記事では、これから海外留学する方に向けて、国民年金、国民健康保険、住民票はどうすべきか解説していきます。
留学で住民票はどう処理すべき?
住民票は抜くべき
海外留学の際に住民票を抜くか抜かないかは最終的に個人の判断によります。
海外転出届を出した場合は、住民登録されていない状態となるため、国民健康保険、国民年金の支払い義務はなくなります。
海外転出届けを出さない場合は、留学中であっても国民健康保険料も国民年金を支払い続けることになります。
ただし、海外転出届けを出したとしても、前年の所得に対する住民税は支払い義務があるので注意しましょう。
特に退職してから海外留学を検討されている方は住民税について役所に確認しておくことが大切です。
忘れがちな国民年金の手続き
結論から言えば、海外留学の期間や個人の状況によって役所でする手続きは変わってきます。
基本的には、数週間から3ヶ月以内の短期留学の場合であっても住民税や国民年金、国民健康保険の支払い義務があります。
海外に滞在する期間が1年以上の長期留学になる場合、役所で「海外転出届け」の手続きをする必要があります。
海外転出届けを出すと住民票かなくなり、日本には住所がない状態になります。
もし、帰国後の手続きが面倒だと感じたり、住民票を抜くのが不安な方はそのままにして、海外留学しても問題ありません。
国民年金も海外転出届けを出すと住民票かなくなるため、支払う必要がなくなります。
しかし、国民年金は帰国後にまた支払わなければ、将来65歳以降になったときに老齢基礎年金を受け取れなくなるので注意が必要です。
国民年金は、万が一、病気や事故で障害者になってしまった場合、受取る「障害基礎年金」、本人が死亡した場合に家族や子どもが受取る「遺族基礎年金」の保障もついています。
長期留学がきっかけで住民票を抜いて、国民年金の支払いを止めてしまうと、帰国後にまとめて支払うのも大変になります。
できれば、1年以上の長期留学であっても住民票を抜かずに、任意加入して払い続けた方が良いでしょう。
国民健康保険の手続き
留学中に国民健康保険の支払いもどうすれば良いのか悩むところです。
留学中の国民健康保険料の支払いは、停止して払わない、任意加入で支払う、帰国後に支払うの3択があります。
海外転出届けを出して住民票を抜いた場合は、国民健康保険を支払う必要はありません。
住民票を抜くと、国民健康保険は自動的に資格を喪失した状態になるからです。
ただし、留学中に気をつけたいのは国民健康保険を抜くと万が一、海外で怪我や病気などで治療した場合は、全額自己負担となってしまいます。
この場合、民間の海外旅行保険や傷害保険の加入が必要となるので注意しましょう。
住民票を抜かない場合は、国民年金保健は海外でも適用されます。
海外の医療費は高額になるので、民間の海外旅行保険や現地の学生保健に加入することをおすすめします。
ご自分の加入している民間の健康保険の内容をよく確認してから国民健康保険の支払いを検討しましょう。
国民健康保険約16,000円を支払うのが難しい場合は、住民票は抜かずに帰国後に支払うやり方もあります。
その他出国前に必要な手続き
海外留学の場合、1年以上の長期留学になると市町村役場で「海外転出届」を提出することが義務付けられています。
海外留学の際に出国前に必要な手続きは、海外転出届を提出するかしないかをよく検討する必要があります。
ただし、海外転出届けを提出すると日本に住民票がなくなるため、今まで加入義務があった健康保険、国民年金は加入義務がなくなります。
海外転出届は、出発日の2週間前~出発前日までに市区町村役場にある窓口にて手続きを行うことができます。
届出に必要なものは市区町村によって変わりますが、「本人確認書類」「印鑑」などが必要となります。
届出が受理された際に発行される転出証明書は、帰国後の転入手続きに必要となるので、必ず保管するようにしてください。
帰国後にまた手続きするのが面倒だと思ったり、留学先での保険がないのが不安という方は、長期留学でも海外転出届けを出さなくても良いです。
ただし、民間の海外留学保険に入っていて、留学先の保険は別に加入する方は特に国民健康保険は必要なくなるため、海外転出届けを出した方が良いですね。
海外転出届けを出すか出さないかは、留学期間や民間保険の有無により変わりますので、一概にはどれがベストとは言えません。
留学する前には海外転出届けを出すか出さないか、帰国後のライフスタイルに合わせて、適切な判断をすることが大切です。